• テキストサイズ

夜空に煌めく星たちよ【気象系BL】

第10章 サクラ咲け【M×O】



智に会いたい。

今すぐにでも…


早く褒めてもらいたい。
よくやったな…って頭を撫でて欲しい…

きつく…

抱き締めて欲しい…

強く…

抱き締めたい…




俺は約束の場所に急いだ。

あの桜並木の土手に…


…智、待ってて。
今行くから…


もう直ぐ会えるから…







夕方になっても、智は来なかった。



駅で通り魔が暴れ、
何人も死者が出たというニュースで
世間が大騒ぎになっていることを、

この時、俺はまだ、知らなかったんだ。




智が、

その場にいたってことも……





あれから、何度目かの桜の季節を迎えた。


俺はこの春から、
小児科医として勤務することになった。



智……見ててくれた?

俺、努力したんだよ!

ちゃんと医者になったでしょ?




桜が雪のように舞い落ちる土手で、
俺は彼の声を聴いた気がした。





『……潤…よくがんばったね…』









【END】
/ 349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp