第9章 デアエタコト【N×M】
「カズ…聞いて欲しい…
俺ね、カズに逢えて、
今まで、幸せだったよ…」
「何言って…」
「俺の人生、カズがいたから、輝いた…
仕事で辛い時も、上手く行かない時も、
側でカズが励ましてくれたから…
今までやって来れた…」
俺は、感謝していることを、どうしても、
彼に伝えておきたくて。
今伝えておかなきゃ、きっと後悔する。
だから……
「潤…やめろよ!そんな…」
カズが切ない顔して俺を見てた。
「聞いて欲しい。
俺、カズに出会って、
カズと愛し合って、
ホントに、幸せいっぱいもらった。
もしも、俺がいなくなったら…
お願いだから、
カズは自分の人生を生きて欲しい…」
「潤!!もうやめてくれ…
お前の居ない人生なんて、
俺には無意味なんだよ///
お前がいなくなったら…俺だって…」
カズの綺麗な瞳から、
涙が一滴、零れ落ちた。
「ありがと、カズ。
その言葉だけで、俺…」
俺は、カズの胸に顔を埋めて
そっと涙を拭った。
もし、俺が治らない病で、
このまま逝ってしまうことがあっても、
カズのこと、カズの幸せ、
ずっと祈って、側で見守っていたい...
たとえ、カズが他の人と
歩むことになったとしても…
それでも、いいから…
「カズ~///」
「潤~///」
俺たちは、そのまま抱き合って泣き続けた。
こんなに好きなのに…
終わりってくるんだ//
カズのことを思うだけで、
涙は枯れることなく溢れ出て、
彼のシャツを濡らしていった。