第8章 リゾートは甘くない【M×S】
「…ん…んっ…あっ…ぁぁ…」
リゾートホテルの一室にくぐもった矯声が響く。
「…あぁ…くっ…翔くん、俺…もう…」
何度か来る波を、逃しては見たけれど、
それももう限界…
「…いいよ…潤…きて///
いっしょに…イこう…」
熱に潤んだその目が、
俺を煽る…
彼の腰を抱えて引き寄せ、
欲情に身を任せた俺は
その中に深く杭を打ち込み続けた。
ほぼ同時に登り詰め、
その白い胸に倒れ込めば、
光る汗と、激しい鼓動が
愛しい...。
「翔くん…あいしてる…」
「潤…俺も…愛してるよ…」
彼は、俺の頬をしなやかな指で包み、
そっと引き寄せて、口づけた。
俺たちは短い正月休みを利用して、
南の島に来ていた。
セブ島へは成田からの直行便で
5時間弱。
こんな短い時間で、日本とは別世界の
楽園に来られるんだ。
あまり長期の休みが取れない俺たちには、
持ってこいのリゾートな訳で…
選んだホテルは、全室がスイート、
プールまですべてがプライベート。
空港からは離れているがその分静かで、
何部屋もあるそのホテルは、
ゆっくりできる最高級の空間だ。
ゆらゆらと、
幻想的な灯が揺らめく室内…
キングサイズのベッドの上から吊られた
白いオーガンジーの中、
確かめるように、
貪るように、
俺たちは何度も愛を確かめ合った。