第7章 オレンジ・ペコ【A×O】
部屋の中央にある
カントリー調のソファーの上、
君は膝を抱えて、
その上に顔を伏せている。
「もう、気にしなくっていいからさ…」
でも君は、顔を上げない。
…………
ホントにもう…
「さ~とし♪」
横に座って、肩に手を乗せても、
君は身体を固くして俯いたまま。
「はあ~…」
俺は、静かにため息をついた。
今日は千葉の貸別荘に、
智と一緒に来ていた。
『二人っきりでクリスマスをしたい』
という智の希望で、
俺が予約して、車で来た。
来る道中はさ、
持つのかな?…って
言うくらいのはしゃぎようで、
超元気だったくせに、
部屋について、
荷物を開けてみて、
智は、俺へのプレゼントを
忘れてきたことに、
気付いた途端、これだもん…
「まさき~…ほんとに、ごめん…」
この世の終わりみたいな顔で、
謝る君に、
「いいって、いいって!!
気にすんなよ。
帰ってからもらうから(^^)v」
そう言ったんだけどね。
「…プレゼント、忘れて来るなんて、
サイテーだよね…
雅紀、誕生日なのに…」
そうブツブツ言ったきり、
そっからずっと、
この調子だよ(´・c_・`)
そう。
俺はクリスマスイブが誕生日だから、
子どものころから、
クリスマスのケーキと一緒だったりして。
仕方ないんだけど、
なんか。
損した気分…って言うか…
…そんなことはいいんだ。
それより今は、
このいじけたこのおじさんを
何とかしないと。