第109章 信じる想い。
紫原「ねぇ」
「え?」
紫原「どこに行こうとしてたの?」
「あ・・・・学校。私の行ってる学校に行こうとしてた」
紫原「の学校?それ、俺も行きたい」
「敦も?けど・・・行っても何も・・・」
紫原「会場に行けない理由・・・何かあるんでしょ?」
「・・・・まぁ・・・」
紫原「じゃあ、いいじゃん。俺も一緒に行くぅ」
あ、何かいつもの敦だ
もっと怒るかと思ってたのに・・・
柔らかい敦の笑顔に、私の心は少しホッとして、温かい気持ちになった
「じゃあ一緒に行こ?」
紫原「うん」
「だから・・・私もう逃げないよ?」
紫原「だってすげぇ冷えてる」
「だ、大丈夫だよこのくらいっ」
紫原「もうちょっとだけ」
「・・・・・・」
もうちょっとだけ?
でも、確かに冷えた体に敦の体温は凄く暖かい
もう少しだけ・・・もう少しだけ・・・・
やっぱり私はずるい
もう人に甘えたくないって思ってたのに
こうして敦を目の前にして又甘えてる
私はずるくて弱い