第97章 優しさの指輪。
★火神大我★
何でとタツヤがそんな約束を・・・・・
俺たちを信じてたとはいえ、わざわざそんなタツヤの賭けに乗らなくたって・・・
けど、タツヤはもしかするとそこまでして・・・・
もう・・・・兄弟には戻れないんだな
俺はコイツをタツヤに譲るつもりはない
試合だって負けるつもりもない
なのに俺はまだどこかでタツヤを兄として・・・・
「大我は優しいね。大切なんでしょ?氷室さんの事」
火神「・・・・・俺はまだ・・・」
「またウジウジしてるの?大切な人だからこそ手を抜いちゃいけない相手でしょ」
大切だから手を抜いちゃいけない相手・・・・
俺はいつまで過去にこだわってんだ
タツヤはいつだって本気だ
だから俺も・・・・手を抜いちゃいけない
俺はこの仲間と、目の前にいるこいつと
約束したじゃねーか
勝って日本一になるんだ
ここでつまづいてなんんていられねぇ
火神「・・・頼みがあるんだ」
「頼み?」
火神「俺がいつも身につけてるそこのリング、捨ててきてくれねーか」
「え、でもこれは・・・」
火神「これを持ってても俺には未練でしかねえ。それにただ捨てたいからじゃねぇ、タツヤとの過去とお前らとの未来じゃどっちが大切かなんて決まってらぁ」
「大我・・・・わかった。私も全力で応援するから!!大我!!必ず勝って!!」
こいつの声は、いつも俺の強みになる