第97章 優しさの指輪。
★★
-インターバル-
誠凛控え室では、後半に向けての作戦が練られていた
第三Qからは一度テツ君を下げるため、テツ君がいない中で敦から点を取ること、そして後半から動き出すであろう氷室さんを止めること、この二つが重要になってくる
そしてこの二人を抑えるには、鉄平さんと大我が必要不可欠になる
リコ「火神君が氷室君を、鉄平が紫原君を倒すことが必須条件なのよ」
そんな作戦を練っている中、私は静かに控え室を出た
「はぁ・・・」
通路に出て大きくため息をつきながら深呼吸をする
最近、大きく深呼吸する回数が増えた気がする
何だか気持ちが窮屈で・・・・・・息苦しい。
通路にあるベンチに腰掛けて壁にもたれる
目を閉じてると周りの音や声がよく聞こえる
私はそれが嫌で耳を塞ぐ
それでも聞こえてくる音、声
もう・・・・嫌だ。苦しい。逃げだしたい。
どうして私が、どうして私ばっかりが・・・・・
この日の私は最高にネガティブで・・・
もう涙すら出なかった
そしてこんな時に聞こえてくる足音
「敦・・・・」