第68章 鉄心。
★★
-試合前日-
「眠れない・・・・」
あんなに寝るのが大好きですぐ寝れたのに・・・・・
記憶を失ってると気づいてから、なかなか眠れなくなった
寝てしまったらもしかすると又記憶を失ってしまうかもしれない
寝ようとするといつもその不安に押しつぶされそうになる
自分がどこまでの記憶が無くて、何を忘れてしまっているのかもわからない
もしかしたら大事な事も忘れちゃってるのかもしれない
それに・・・・・
本当は早く検査に行かないとダメなんだけど・・・・
もし検査に行って、頭に何か異常があったらどうしよう
恐い
ダメダメ
こんな事ばっか考えちゃ
だって明日は霧崎第一との試合
明日勝てばWC出場が決まる!
花宮真・・・・・
彼はきっと又何かをしかけてくる
思い出しただけでゾッとする
彼は人の不幸を楽しんでいる
あんな人に負けたくない、負けて欲しくない
誰も何も無ければいいけど・・・・・
何だか不安なことだらけ
涼太やカズ君のことも考えないとダメなのに・・・・・
結局この日も、私は殆ど眠れずに終わった