第28章 3時間。
★伊月俊★
とりあえずカロリーチャージしてストレッチするかな!
「マッサージ、私がしても大丈夫?」
頭の上から声が聞こえて顔を上げた
伊月「ちゃん・・・」
いきなりでチョット驚いた
日向の方を見ると監督にマッサージしてもらってるようだ
伊月「じゃあお願い^^」
ちゃんは屈んで、俺の脚に触れた
ヤバイ。チョット緊張してるな俺・・・
ちゃんは、マッサージする時いつも、髪を左側に束ねる。
普段はおろしてて見えない首筋やうなじが露わになって、たったそれだけのことなのに急に色っぽく見えてドキドキする。
「痛くない?」
伊月「あぁ、大丈夫^^」
平常心、平常心。
「さっきの試合・・・俊くん、ちゃんと皆の事考えてたよね。」
伊月「え?」
「前に、イーグルアイしか無いなんて言ってたけど、それだけでも十分凄くない?・・・試合中の俊くん、凄くカッコよかったよ!」
伊月「・・・・あぁ。・・・・ありがとぅ。」
こないだの話、覚えててくれたんだ。
・・・・・・・・日向、ゴメン。
俺やっぱ無理かもしんない。
「そうだ!」
伊月「?」
「試合中に言ってたダジャレ、聞こえてきたの全部メモしといたよ。作ってるでしょ?ネタ帳!」
伊月「・・・・・・」
俺、やっぱちゃんの事好きだわ。
周りを見渡してみる
ちゃんの事好きなのは俺や日向だけじゃないか・・・・
「俊くん、大丈夫?体しんどいの?」
俺の事をそんな心配そうな顔で見ないで。
伊月「ううん。大丈夫だよ^^俺の足はもういいから他の奴らもマッサージしてやって^^」
「・・・わかった・・・」
ちゃんは少し悲そうな顔をした。
苦しい。
俺は突き放すことしかできないのか
好きなのに、好きだと言えない
悲しい顔をさせたいわけじゃないのに・・・