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第3章 ふたご


「そんなこと、できるの?リク」
「できるさ」

兄は未だ見ぬ父親譲りの聡明な瞳で、昼下がりに幸せそうにはしゃぐ家族を眺める。

「母さんは、俺たちにいつも言った」

「「あなたたちは、二人でひとつよ」」
シンクロして、二人の声はひとつになる。
トーンも、イントネーションも、何一つたがうところはない。

「でも、俺たちは二人で一つなんじゃない。
母さん含め、三人で一つになるんだ」
「どういうこと?僕にわかるように教えてよ」
リクはすこし考えてから、瞬いた。
そして、口を開く。

「母さんは、俺たちと同じ血を半分持ってる」
「うん」
「それはつまり、半分俺たちなんだよ」
「うん、そうだね」
「そして、俺たちは二人で一つ。つまりひとりだと半分なわけだ」
「うん、なるほど、つまり…」
「「母さんと一緒になれば、一つになれるんだ、俺(僕)たち」」




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