第5章 愛、シあう
「ありさ、寒いの?震えてるよ」
「ほんとだ、早くいっしょにあたたまろうね」
何も纏っていないありさの白いからだに、双子の手が伸びる。
「や…やだ、やめて」
「ちょっとはっきりしてきたかな?」
「みたいだね、よかった」
右には兄が、左には弟が。
耳を舐めるように顔が近づく。
「「触られてるとこ、熱くない?」」
触れられている腕が、脚が、催眠術みたいに火照るのがわかった。
ちがう、これは、気のせいだ。
「大丈夫。ヤバい薬じゃないし、体に害もないよ」
「ただちょっと、触られたところが熱くて」
「もっと触って欲しくなるだけ」
ふふふ、とどっちのものともつかぬ笑い声が、両耳を犯す。
そのままふたつの口が両耳を含んだ。
耳の中で、ピチャピチャと舌が蠢く。
「やっ……あっ……!!」
「やっぱり弱い、かわいいなあ」
「もっと声、いっぱい出して?」
耳が、犯されていく。舌で、声で。
熱くて、熱くて。