第11章 裏/時が経っても
「紅郎くん、どうかした?」
「いや? 髪の長いのも新鮮だなって思ってな」
「そうかな? 長くしてからみんなにヘアアレンジで遊ばれることが増えたんだけど…」
「俺も遊んでいいか?」
「……需要あるの?」
「あやに触ってたい」
「……それじゃあ、ずっと髪伸ばす」
「無理しなくてもいいんだぞ?」
「いいの…」
顔を俺の胸筋にくっつけて隠されてしまったらどんな表情をしているかはわからない。どうしたもんか機嫌を損ねたわけじゃねぇだろうが…
つか、スカートの裾から覗く肌が目に付く。あやはニーハイを履いてるから肌の見える範囲が狭い。それにスカートの丈もどちらかと言うと短めで、いわゆる絶対領域がエロい。
「紅郎くん、手が動いてる」
「ん?」
「髪と太腿」
言われて気づいた。片手は髪を束ねていたシュシュを取っていて、もう一方は太腿を撫でていた。
「あ、悪ぃ…つい…」
「…ついで済んだらやらないの」
手を伸ばされて額を軽く叩かれてしまい、手は一旦触れていたところから離すと両手を握られてしまい、行き場を失った。小さな掌は見た目と裏腹に強めに握ってくる。
「あと…そういうつもりなら言ってくれたら大丈夫だから…なし崩しにするのは嫌…」
「………」
顔を胸筋に押し付けられて言われて、さすがの俺もあやの言いたいことがわかると、やることは1つだった。
「あや」
「なに?」
「久しぶりにいっぱいあやを感じさせてくれねぇか?」
「いい、よ? あれから何もしてないから、上手くできるかわかんないけど…」
「……1人でもしてねぇのか?」
「………自分でしても気持ちよくなれなかったからしなくなった」
顔を見せないあやの顔が見たくて、握られた手を解いて顔を上げさせると真っ赤な顔で瞳を潤ませているあやがいた。
あんまりにも愛おしくて、思わずがっつくようにキスをした。久しぶりの感触を確かめるようにしながら、あやごと身体を起こして膝の上に座らせた。そのままブラウスのボタンを外して、インナーの裾を捲り上げた。