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短編集/鬼の木漏れ日

第6章 君の手料理



「おぉ…」
「わぁ…」

 神崎と嬢ちゃんはこのカフェの店員の仕事ぶりに感嘆していた。今は3人で回してるが、キッチンの店長とあやが作り、それをホールのあの男が運んでいくという単調作業だが、夕方で腹ごなしに来た客たちをあまり待たせることなく持って行ってる。そして手を抜くことなく素早く仕上げる2人もすげぇ…

「おい、水瀬はバイトだよな?」
「あぁ…俺も一緒に飯作るときは楽しくやってたんだが…やっぱ仕事となると違うな」
「…あれはどう見ても料理人そのものだろ」
「たしかにな…」
「お待たせいたしました。サンドイッチの盛り合わせセット2つとフルーツパフェでございます」

 あやが出来立ての料理を持って来ると、すぐさまドリンクを作りに踵を返してしまった。

「では、皆でいただくとしよう」
「あの、これって…」
「パフェはあんずのだから遠慮なく食え」
「え、え?」
「お、パフェのフルーツサービスしてくれたみてぇだな」

 全員でサンドイッチをつまみながら、ついでに紅月の打ち合わせをしている間に時間は思っていたよりも経っていて……

「みんな、もう閉店30分前だよ? お会計して帰ろう?」

 シフトが終わったあやが声をかけてくれるまで打ち合わせに夢中になっていた。
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