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短編集/鬼の木漏れ日

第6章 君の手料理


「水瀬といえば、部活でも活躍しているからな。校内新聞でもよく見る名だしな」
「部活? 家庭科部だろ?」
「貴様、知らんのか? 水瀬は料理や裁縫の大会やコンクールで何度も優勝しているぞ」
「……」
「まさか、聞いてなかったのか?」

 あやが家庭科部に入っているのは知っていたが、大会やコンクールの話は全く聞いたことがない。校内新聞もあまり目を向けていなかったから盲点だった。

「今度ぜってぇ祝ってやる…」
「おい、言葉と表情が合ってないぞ。まったく…まぁ、これまで問題を起こしてないからいいが、羽目を外しすぎるなよ。特に水瀬は小柄なのだから気をつけてやれ」
「そんなに小柄なんですか?」
「俺と30cm以上身長差があるからな。それに見た目も可愛い系だから実年齢より下に見られやすいしな」
「そ、そうなんですね…」

 そうでなくてもあやは巨乳の部類にも当たるから不埒な奴らの目に止まりやすい。一緒にいるときはいいが、離れてしまうとそうはいかないから心配なんだよな。今のところそういうことはないからいいけどよ…

「蓮巳殿、水瀬殿は料理の腕は相当な手練れということであるか?」
「そうだな。和洋中、甘味、ジャンルは問わないみたいだがどうなんだ? 鬼龍」
「俺は基本飯しか食ったことねぇけど、美味いぞ。あいつバイト先のカフェでも調理に入ってるし。妹の好き嫌いもあやのアドバイスで克服できたのも多い。今度は鉄と守沢の好き嫌いも相談すっかな…」
「…その腕前、是非一度見てみたい!」
「見たいって言われても…あ…これ終わったら時間あるか?」
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