第5章 ひとそれぞれ
「え、なに、これ…」
「あやのワンピースとかレアすぎる…!」
「彼氏さんのお手製ですか?」
「なん、だと?」
あれから鬼龍くんが仕事の合間に進めていたワンピースが完成して、靴とか色々手持ちで揃えてフルコーデをしてもらった時の写メをみんなに見せてみた。
「水瀬の彼氏さんって、何者?」
「内緒」
「うわぁ、ますます謎になった」
「でも、ワンピース可愛いし、似合ってるよ」
「うんうん、すごい似合ってる」
ワンピースはみんなに好評で、鬼龍くんの存在はみんなにとってますます謎になっていた。
でも、バレるのはまだ先がいいかな。
「菜子、今度スタミナ料理にしない?」
「いいですよ」
「お、彼氏さんにかな?」
「あやも恋する乙女だねー」
「だって、もっと作れるようになっておきたいもん」
まだ私だけで独り占めしておきたいから…
あ、でも、あのワンピースはしばらく着れないな。着たあと鬼龍くんと久しぶりにシたから着たら思い出しちゃいそうだから。
「あやの彼氏さんはとてもお幸せでしょうね」