第3章 僕とデートして下さい
あはは、と笑うハイセの顔が羞恥心いっぱいで見れない。
誤魔化すように手の甲で唇を、ごしごしと拭った。
そのあとは。
ハイセはほんとにただ、あたしの買い物に付き合って。
通りをブラつきながら目についたお店に入り、ハイセはただ黙ってあたしの横についていただけで。
時々あたしが迷っていると、絶妙なタイミングでアドバイスをくれたり、化粧品に至ってはフリースペースで店員顔負けのメイクをあたしに施した。
ファンデーションの色からアイメイクの色合いまで、事細かくハイセは、あたしにレクチャーしたのだ。
「…………」
悔しいけど。
ほんとにほんとに悔しくて仕方ないけど。
あたしを一番理解してるのはたぶん、ほんとにハイセなのかもしれない。