第9章 守護
数日後、
エルヴィンは、ユカを呼んで、
話をした。
そこには、俺とハンジと医務室のドクターも同席した。
『君の出生のことは、ここの部屋にいる人物しか知らない。
兵団内では、ドクターの見習い、ということにする。
それについては、事実だからな。
ユカ自身の考えはどうかな。』
『ええ。光栄なお話です。
宜しくお願いします。』
ユカは、遠い目をしていた。
『そうか。それで、決まりだな。
君の部屋を用意してある。
仕事については、ドクターから詳しく聞いてほしい。
試験については、間近になったら、
そちら優先で構わない。』
『分かりました。』
ユカは、ドクターに仕事の説明を受けに、
医務室へと向かった。
『ユカちゃん、賛成してくれたね。
彼女には頑張ってほしいな。』
エルヴィンは、何も言わなかった。
ハンジが出て行った後、エルヴィンと2人になる。
『エルヴィン、ユカのことだが。』
『なんだ。』
『今回の件で、あいつに、もし不利益なことが働いたら、
その時は、エルヴィン、お前が相手だろうと、
容赦はしない。
それだけは、伝えておく。』
『惚れている女だからか。』
『それが、なにか、都合が悪いことでもあるのか。』
『都合は悪くないさ。』
エルヴィンは、そう言いながら笑った。
『何が言いたい。』
『いや、どうやら、彼女を手にするのは、
ライバルが多すぎるらしい。』
『あいつは、誰かのものになるのは嫌がる。』
『そうみたいだな。リヴァイ、お前もそうだろ。』
言葉が出なかった。