第5章 秘密
ユカは、新たに紅茶を淹れてくれた。
それから、ソファに座り、窓から外を眺めている。
書類が溜まっていることを、
気遣ってか、あの黄色の茶葉缶で、
紅茶を淹れてくれた。
配給のおかげで、毎日のように飲めていたが、
ここ最近は、紅茶をゆっくり淹れて飲む時間もなかった。
久しぶりに、リラックスして、
尚且つ、集中して書類に取り組める。
ユカは、本当に物音立てず、
静かに座って遠くを眺めていた。
ユカは、誰を案じているんだ。
美しい横顔が、寂しそうにも見えた。
ユカの想いの先には、俺はいるのだろうか。