第5章 秘密
エルヴィンは、片腕を失って帰ってきてから、
しばらく寝込んでいた。
ハンジは、時間をみつけては、
エルヴィンの様子を見に来ていた。
俺は、エルヴィンが寝込んでいる間、
代わりの仕事が腐るほど、
回ってきて、こちらが、寝込みたいくらいだった。
実際は、ハンジと俺が半分ずつくらい、
エルヴィンの仕事を肩代わりしているから、
ハンジも相当な心労であることは、明らかだった。
『リヴァイ、この書類について質問があるんだけどー!?』
ハンジは、ここにきて、
ノックもせず入ってくるようになった。
お互い相当疲れ切っていることは、
分かっていたから、
俺も怒る気にはなれない。
書類の話が終わると、
『ねぇ、リヴァイ。
明日、木曜日だろ?
ユカちゃんにきてもらおうか。
幹部の人数も少なくなってしまったが。
私たちも、精神的に限界がきているし、
いい加減、あの紅茶が飲みたい!!!!
エルヴィンも紅茶の香りを漂わせたら、
早く目覚めるかもしれないだろう!!!』
茶葉缶は、経費で定期的に配給はされているが、
ユカがこの場で淹れる紅茶は、
全く違うものだ。
『変態メガネもたまには、いいこと思いつく。』
『なんだよー!!!!リヴァイ!!
リヴァイも限界きてるだろー!!!』
確かに、限界だった。
ユカに会いたい。