第29章 海
数日経ち、街へ出た。
時間を見つけてはユカに逢いに行っているあいつが、
兵舎の夜勤番の時に。
目的地に着いた。
入り口からユカが出てくるのを待つ。
2年ぶりにしては、随分と大胆な行動をしているのは分かっている。
久しぶりに逢って、どんな顔をする。
万が一避けられたら。
不安ばかりつのる。
でも、もう限界だった。
腹を決めて話しかけるしかない。
、、、、、
ユカがでできた。
こちらの方向に向かってくる。
俺は目線に入る位置で建物に寄りかかっていた。
足音が止まった。
『リヴァ…イ…。』
アルトの微かな声。
ユカは驚いた顔でこちらを見る。
『…久しぶりだな。』
2年ぶりに顔を合わせた。
ブランドの髪は、仕事終わりで結目がついたままおろされ、
薄緑の綺麗な瞳、
変わらない姿だが、雰囲気は少し大人びた感じだった。
この2年間何度も夢に見た姿が目の前、
全身から溢れ出る、抱きしめたい気持ちを抑えた。
『少し話がある。時間あるか。』
、、、、、
止まっていた時間が動きだした。