第3章 襲来
あれから、
ユカに会っていない。
襲来があってから、経費で落としているぶん、
幹部達にも、定期的に茶葉缶が配給されるようになり、
店に行く必要がなくなったからだ。
右手首を見るたびに、
お礼でも伝えたいと思ったが、
街に行く時間もない。
その代わり、エルヴィンは、ビジネスとして、
ユカと濃密な関係を築いていると思うと、
少し違和感があった。
でも、
エルヴィンは抱えているものが、でかい。
あいつが、惚れてる女の近くにいれて、
少しでも、幸せだろう。
最後は、そう思って、自分を納得させていた。