第22章 外出
部屋に戻ると、
優しい香りが部屋を包んでいた。
『おかえりなさい。』
紅茶淹れる姿を見るのは、久しぶりだ。
安心する。
『すまない。』
アンのこと、
紅茶を淹れて待ってくれていたこと、
両方の意味で発した。
『どうぞ。』
ユカは、何も聞いてこない。
『ちゃんと話してきた。』
『お疲れ様。』
『ああ。』
何か言った方が良いんだろうが、
言葉が思いつかない。
『ちゃんと信じてるから、大丈夫。』
俺の気持ちを察したんだ。
『でも、リヴァイ。
力いっぱい抱きしめて。』
ユカを手招きして、力いっぱい抱きしめる。
少し痩せたか、
身体が前より薄く感じる。
『不安にさせた。すまない。』
『大丈夫。』
自分の浅はかな行為が、憎い。
こんなに愛してるのも、
こんなに守ってやりたいのも、
お前意外にいるはすがないのに。
決心した。
覚悟を決めて、向き合いたい。