第19章 溝
『大丈夫ですか。私、医者なので、脚を見せて下さい。』
エルヴィンがアンを椅子に座らせ、
ユカがアンの足首の状態を見ている。
『すっすみません、、
こんな所でお医者さんに会えて、よかった。。。
しかも、団長も居るなんて。運が良かったです。』
『最近、怪我されました?』
『はい。訓練中に。。。。』
その時、ユカが俺を見てきた。
その視線を感じた、アンが俺の存在に気付く。
『リヴァイ兵長…。。。』
今にも泣きそうな顔だった。
『ユカ。病院に連れて行くか?』
エルヴィンが聞く。
『もう、夜遅いですしね。
一先ず、包帯を巻いて、しっかり固定します。
帰ったら、直ぐに冷やして下さい。
明日も痛みが引かないようでしたら、
病院に行って下さい。
私、あそこの病院で勤務していますので、
連絡を貰えれば、直ぐに外来を通すようにします。
部屋に戻ったら、美味しい紅茶を飲んで、
気持ちを落ち着かせて下さいね。』
『、、ありがと、、う、ございます、、』
アンは、返事をするのにやっとだった。
『アン、君は1人か?。』
『はい、、』
『じゃ、私が兵舎まで送ろう。』
『わかった。私がアンとエルヴィンの鞄を持って行こう。』
いつのまにか居るハンジも同行することになった。
『団長。何かあれば、夜中でも訪ねて下さい。』
『ああ、助かるよ。ユカ。ありがとう。』
エルヴィンに背負われて、店を出るとき、
アンは一瞬振り向き、俺と目が合った。
その様子を伺うユカ。
何とも言えない気持ちとは、こういうことだ。