第15章 番外編 王都
突然、ヒナさんは私を抱きしめた。
そして、涙を流しはじめた。
驚きで、どうしていいか分からない。
『ヒナさん?!!!
どうかされましたか?』
少し落ち着いたところで、
彼女は姉の秘密を打ち明けた。
『ユカさん、、、ごめんなさい、、、
あのね、、良く聞いて、、
セレクタって性は、
この国で、我が一族しかいないの。』
『えっ、、、』
言葉が出なかった。
『姉はね、、、
妊娠してたの、、
でも、お相手の方が貴族ではなくて、
その、、ちょっと悪行されている方で、
大反対されてて、、、
でも、、
姉は産みたいって、、
心労が祟ったのね、、
産気づいたのが外で、、、出血も多くて、、、
病気に運ばれる前に、、、
奇跡的に赤ちゃんは無事だったの、、、
お相手の方にも連絡する手段もなくて、、、
我が一族は、育てられないって姿勢は変わらなくて、、
引き取って下さる方を見つけて、、、』
ヒナさんの話を聞きながら、
涙が出ているのに気がついた。
『姉はね、、、、
私にだけ教えてくれてたの。
娘だったら、、、
ユカって名付けるって。』