第3章 黒の時代
『今日は、外に食べに行こう』
そう治さんに云われたのは朝の事。
…何で外に食べに行くなんていきなり。
「お疲れ、帰ろう」
「え、は、はい」
慌てて明日の分の書類を片付ける。
「中也に夕飯頼んでるから」
「判りました」
本部の中を歩いて行く。
最初は物珍しそうに見られつつ歩いていたけど、今はもうそんな事もない。
「治さん」
「ん?」
「今日は何をリクエストしたんですか?」
「何も」
「え?」
珍しい。治さんがリクエストを云わずに中也さんに委ねるなんて。
「ふふ、偶にはいいだろう?」
「そうですね…今日は何かな」
中也さんのセーフ・ハウスに着くと既に中也さんは夕飯を完成させていた。
「嗚呼、着いたか。ほら飯出来てるから早く手洗って座れ」
「ふふふ、美味しいね」
「手前!…はぁ、もういい。蓮、手前も食え」
「あ!い、いただきます!」
慌てて手を洗いに行って、テーブルに座る。
久し振りの三人での夕食。
中也さんの作るご飯は何時も美味しい。
「中也ぁ〜お酒〜」
「蓮も居るのに飲むな!」
「むー」
むーだって。可愛い。
…治さんは子供っぽい所もあるけど、歳相応にカッコイイ事の方が多い。
例えば、仕事中。書類整理とか作戦立案中とかの真剣な顔はカッコイイ。
こっそり見てる拷問中の冷えた目もカッコイイ。
「いいですよ、治さん飲んでも」
「…蓮、それだと手前が帰れないだろ。泊まるのか?」
「別に構いませんが」
「太宰と同じ部屋で寝てもらうぞ?」
「別に構いませんよ?」
「だとよ太宰。飲んでもいいぞ。蓮と同じ部屋で寝られるならな」
「…中也って本当に意地悪いよね」
「云ってろ」
治さん私と寝るのやっぱり嫌なのかな…
「困るならタクシーでも呼んで私帰りますから」
お邪魔にはなりたくない。
「はぁっ」
「え、あ」
「…流石の僕でもそんな事しないよ」
久しぶりに一緒に寝ようか?
「え、いいんですか?」
「いいよ。よし、中也!風呂を入れてくれ給え!」
「だあああ開き直ったら早えな!」