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モノクロの世界【文スト】

第2章 モノクロの世界


白さんは私にマフィアの仕事をさせて下さらなかった。

何時も事務とか掃除とか。

役立たずなのかと思って沈んでいたら、

「君は彼女に云われた事をやればいい。考えがあるんだよ。信じな。…普通簡単に人を拾わないよ。保障しよう。彼女は君を大切に思ってる」

と治さんが云って下さった。

その瞬間が私が治さんを好きになった瞬間。

仕事に疑問はあったが、白さん達と仕事をするのは楽しかった。

他にも治さんの家で泊まる時、「一緒に寝てもいいですか?」と聞いてOKが出た時、嬉しさ半分、矢張り妹の様な存在なんだと悲しかった。でも、治さんの腕の中は白さんの腕の中より安心して。妹の様な存在でもいいかと思う位には、幸せだった。

でも四人で過ごす時間が一番好きだった。

それは直ぐに壊れてしまったのだけど。

「ごめん、研修が早まった」

「研修…」

研修に行く事は知っていたが、それはもう少し先たと聞いていたから凄く驚いたのを覚えている。

「…何時だい?」

「…来週…」

「急だね」

「…」

泣き出しそうな顔。

中也さんに云ってるのか聞こうとしたその時、

「中也には、私が居なくなる事教えないから」

「え⁈」

表情は変わり、意志の篭った目をしていた。

それは、悲しみを滲ませていたけど。

「蓮ちゃんは太宰の下に異動ね。頼んでいい?」

「いいよ、大丈夫」

「蓮ちゃんも太宰の下でいい?」

「全然平気です。白さんこそ、頑張って下さい」

「有難う、二人共」

そしてその日から一週間後。

白さんは日本から居なくなった。
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