• テキストサイズ

モノクロの世界【文スト】

第6章 沈黙


「モノクロ…」

口に出ていたのか。

「そ、色付く場所なんてない。何時でもどんな場所も…否」

いきなり頰に手を添えてくる治さんにパニック。

「お、治さん…?」

こう云う時狼狽えないのは私の長所だろうか。

「否、でも…君の瞳の色は鮮やかに認識出来るよ」

それは、如何云う…

紫と赤は認識出来ると云う事かな。

「君の瞳は何時も綺麗だ。曇っていなくて、何時も光っている」

治さんの口説き言葉を面と向かって云われるのは、初めてで、どう反応すればいいのか判らない。

「…何でかな……」

数秒間見つめ合っていた。

私を見ている治さんの瞳に自分が映っている事が嬉しくて。

「治さん…」

「ふふ、綺麗な色」




side 太宰

彼女の瞳は綺麗だ。

吸い込まれそうな程に澄み切っている。

自分の汚れが際立ってしまうくらいに。

「蓮ちゃん」

「はい…」

「綺麗だね」

「そんな…事……」

蓮ちゃんが自己肯定が低めなのは如何してだろう。

家族は元々いて、愛情は受けてた筈なんだけどなぁ。

「君は綺麗だよ」

「そんな…白さんみたいに綺麗じゃない…」

「白ちゃん?」

「…治さん、白さん好きですよね」

あー、これは勘違いさせてるなぁ……云うか。

「もう、白ちゃんは好きではないよ。アレは憧れに近い」

「え…」

「同世代のあれだけ綺麗な子、何故かムカつく奴にぞっこん。気に食わなくてそりゃちょっかいかけるよね」

「…」

「今は別に夢中な子居るから」

「え?!」

あ、びっくりしてる。可愛い。

「誰…なんですか?」

「誰だろうねぇ」

まだ、云うべきでない。
/ 30ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp