第4章 衝撃の6月
side 蓮
6月20日
「蓮ちゃんいる?」
一瞬私は耳を疑った。聞こえる筈のない声が聞こえたから。
でも、期待とともに扉の方を向くと、
「久し振りだね」
「白さん!」
会いたかった人が其処にいた。
「え⁈白ちゃん⁉︎」
治さんもびっくりしている。
「え、君今研修だよね?何でいるの?」
「定期報告」
「中也とは…」
「会わないよ」
キッパリとした口調。
「時間がない。中也の居ないこの時間を狙って来たんだからね。…太宰と蓮ちゃん、それぞれに話したい事がある。太宰、一寸来て」
白さんは治さんを連れて奥の部屋に入って行ってしまった。
でもそれはほんの数分の事で。
「蓮ちゃん来て」
と云われ今度は私が奥の部屋に行く。
「白さん」
「…話したい事があるの」
「はい…」
「…私は、太宰が好きだよ」
「え?」
頭が、真っ白になった。
白さんが、治さんの事を好き?
それなら、治さんと両想いって事?中也さんは如何なるの?
「ごめん、恋愛感情以外って事!」
慌てて白さんは訂正を入れてくる。
「太宰の事、本当は、嫌いじゃない。寧ろ人間的に好きだよ。でも、1度も恋愛対象としてだけは見れなかった。それだけ」
…よく、判らない。
「…蓮ちゃんは、蓮ちゃんのしたいようにすればいいよ。私の事は気にしないで。やりたい事をやって?」
先刻までの疑いは無くなり、今は少しの戸惑い。
「如何してそこまで…」
「…蓮ちゃんの羽は未だ白いから。ね?」
悲しげな目をして立ち上がった白さんに付いて部屋を出る。
「…また何時か、会えるといいね」
そう云って白さんは出て行った。