第3章 探偵たちの夜想曲
小五郎さんはどこから取り出したのか、大急ぎでハッピを着て鉢巻をつけ、テレビでライブのチャンネルをつけると「Go Goヨーコ♪」とテレビに掛け声をあげ始める。
ただ単に、ライブの事を忘れただけのようだ。
「こ、これは…」
その光景に若干引いた様子で小五郎さんを見る降谷くん。
そこへ蘭ちゃんがフォローしに行く。
「これを見るために、依頼人と会う時間をズラしたんですよ!」
『あはは…』
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その後ライブが終わると、すっかり熱が冷めた小五郎さんはテレビの電源を切りタバコを吸い始める。
「でもこれから依頼人と会うというのは合ってたんですよね?」
「ああ…
でも、どんな奴が来るかは分からねぇよ」
「は?」
「なにしろネット経由で依頼してきた第1号のお客さんだからな!」
どうやら小五郎さんはネットでの呼び込みも始めたらしい。
降谷くんがどんなものかと窓際のデスクまで行くのを見て、私も続いて見に行く。
「へぇ〜ネット上に探偵事務所を立ち上げたんですね!」
「ま、まぁな!
ウチもグローバルな世の中に対応して、デジタル化しようと思ってよ!」