第2章 始まり
〜湊side 〜
規則正しい寝息をたてて眠っているヨツバの頭を撫でる
俺のたった1人の家族....大切な可愛い妹
まだ、幼いのに本当の血の繋がった家族から理不尽に存在を否定されて悲しいはずだ
周りも助けようとしてくれない
なのに、毎日逃げずに頑張ってる
本当にヨツバはすごいな....
俺との時間が少しでも安心できる時間ならいいんだけどなぁ
ヨツバは父さん達を殺されて絶望していた俺に生きる希望をくれた
だから、今度は俺もヨツバの生きる希望になりたい
....命をかけて守りたい....俺の宝物
ヨツバ「湊....兄....」
俺の名前を呼んではにかんだ
それを見た俺も自然と笑みがこぼれた
どんな夢を見てるんだ?
『ヨツバ....ありがとう』
俺を1人にしないでくれて....俺の手を握ってくれて....
感謝の気持ちを込めてそっとヨツバの頭を撫でた
〜湊side 終了〜
ユサユサ
なんだろう、なんか揺れてる
そっと目を開けると湊兄の背中が視界いっぱいに広がった
『湊兄?』
名前を呼べば顔を私の方に向けて笑った
「おはよう、ヨツバ....なかなか起きなかったから背負って戻ってきちゃった....お団子屋さんにいくなら時間だったからね」
周りを見渡せばお団子屋さんが目の前にあった
『お団子屋さんだ!!』
湊兄、ここまでおんぶしてくれたんだ
『ありがとう、湊兄』
湊「子供が遠慮なんてしなくていい」
そう言ってそっと笑った
湊兄の背中暖かいなぁ....
「湊くんにヨツバちゃんじゃない」
『おかみさん!お団子!!』
お団子屋さんに入ればいつも通りにおかみさんが笑っていた
「はいはい、少し待っててね」
そう言って厨房へと入っていった
湊「ヨツバはお団子が好きだな」
『うん、甘くてモチモチしてて大好き!!』
お団子に埋もれて寝てみたいなぁ
「はい、ヨツバちゃん、湊くん」
お団子の乗ったお皿が目の前に置かれてすぐに口の中に放り込んだ
「ヨツバちゃんは美味しそうに食べるねえ」
『うん、すっごく美味しい、幸せ!!』
モグモグと食べ続ける私を笑ってみている湊兄とおかみさん....どうして、食べないのかな?
湊兄の口元にお団子を持っていく