第3章 鬼を滅するために
チュン・・・チュンッ・・・・・
外で小鳥が鳴く声で目を覚ました
目の前には見たことのない天井が広がっていた
ここは、どこ?
体を起こそうとすれば激痛が走り
自分と湊兄に何が起こったのかを思い出した
『湊兄!』
いない!いない!!どこ?
湊兄を探すために痛む身体を無理矢理動かしてベットから降りた
湊兄!!
なんとか襖を開けようとしたら勝手に襖が開いた
「うおッ!!」
男の人が開けたみたいだ
「....やっと目が覚めたのはいいが動いたら駄目だろう....」
この人が助けてくれたんだ....
私をベットまで運んでもう一度寝かせた
『ねえ、湊兄はどこ?』
そういえば顔をしかめた
『どうして....どうしてそんな顔をするの?』
「....君のお兄さんは俺がいった時には亡くなっていた」
湊兄が死んだ....嘘だよ、そんなの嘘だ
『そんなの嘘だよ!!だってさっきまで一緒に寝てたもん!!お喋りもしてたし!!いつもみたいに頭を撫でてくれてたんだ!!』
そうだ、さっきまで一緒にいたんだ!死ぬわけない!!
『お前は嘘つきだ!!!!』
涙で目の前が霞んで見えない
信じたくない.......嫌だ!嫌だ!!
『なんか言ってよ!!悪い冗談なんでしょ!!ねえ!!』
何も言わないことが嘘じゃないとものがたっていた.....いや、本当は分かってた....でも、信じたくなかった....信じたくない....
『嫌だよぉ....嫌だよぉ!湊兄!!湊兄が死んだら私どうやって生きていけばいいの!!』
湊兄との思い出が頭の中をよぎっていく
『湊兄だけなんだ!!私の存在を認めてくれたのも!!必要だって言ってくれたのも!!血の繋がってない私を妹だって言ってくれたんだ!!家族だって言ってくれたんだ!!.....湊兄がいなきゃ生きていけないよぉ!!』
湊兄....1人になるくらいなら私も死にたかったよ
「....お兄さんは君を守るようにして亡くなってた....お兄さんは死にかけてもなお君を守ろうとしたんだ....それだけ君が大切だった....なら、君はお兄さんの死を無駄にしないよう前を向いて生きていかなきゃならない....死んだお兄さんに恥じないように....」