a fragrant olive【ONE PIECE】
第2章 彼との出会い。
「君の名前は?」
「リオです。海兵さんは?」
「俺はドンキホーテ・ロシナンテだ」
ロシナンテさんか。
「ロシナンテさんですね」
私が彼の名前をそう言うと風が吹き、金木犀の匂いがさらに強くなる。
「リオ…ちゃんはここの療養所にいるのか?」
「リオでいいですよ。療養所なのか分からないんですけど、この道を…」
私は普段生活している建物の場所を伝える。
ちなみに私は療養所では生活していない。
でも初対面の彼に伝えるのも変なので知らないフリで話す。
「その建物って…いや、なんでもない」
「?」
彼は何か言いかけてやめてしまった。
もしかして場所的に察してしまっただろうか。
そんなとき…。
「リオーどこにいるんだー」
「あ、呼ばれちゃいました。お先に失礼しますね」
なんというタイミング。
きっと検査の時間だろう。先生ありがとう。
私は彼にそう言うと杖をついて声の主の元へ帰っていった。
「…リオが言っていた建物、研究所だよな…」
彼の言葉は私には届いていなかった。