a fragrant olive【ONE PIECE】
第9章 2人の旅路
「もちろん待ってますよ」
愛する人をここで待つ。
きっと辛いかもしれない。
でも、彼なら帰ってくる気がする。
だから、私は彼の帰りをここで待とう。
彼は私の言葉を聞いて再び抱きしめてくれた。
翌日、私はレイモンドさんに連れられ、港に来ていた。
あの後二人共泣き腫らした目で帰ったことにレイモンドさんは驚き、慌てて冷やしてくれたりした。おかげで朝にはお互いに目の腫れは引いていた。
私の前には多分彼が立っている。
「じゃあ、リオを頼みます」
「はい。君も気を付けて」
彼がレイモンドさんにそう言うと私の手を取る。
「しばらくお別れだ。元気でな」
「はい。お気をつけて」
私がそう言うと手の甲に柔らかい感触があった。
な、なんでしょうか?
そして私の手と彼の手が離れると彼の気配が遠ざかるのがわかる。
「やるなぁ。手の甲にキスされたんですよ」
「へ?!」
最後まで彼はかっこいい。振り回されてると感じてしまう。
きっと彼は船に乗ったのだろう。私は彼の名前を大きく叫ぶ
「ロシナンテさん!いってらっしゃい!」
私の言葉に彼は行ってきますと答え、旅立っていった。