a fragrant olive【ONE PIECE】
第8章 決意と行動
彼が先生からの手紙を読み終わった頃には私は涙を流していた。
こんなに私の事を考えてくれていたのか。
私を逃がすという事が、彼にとってどれほどのリスクを抱えているか。
おそらく二度と会えない先生、せめてお礼を言いたかった。
「…礼を言うことはできねぇが、これから長生きするんだ。」
彼の言葉に何度もうなずく。
あの日死んでしまった両親、島のみんな、そして先生。
私はいろんな人に助けられてここにいる。
彼は泣く私を優しく抱き寄せ、背中を撫でてくれる。
そんな彼の優しさに甘え、私はひたすら泣いた。
泣いてスッキリした頃、彼から任務について話された。
実の兄が率いる海賊への潜入捜査。
命の保証が無い危険な任務。
彼の口調は強く冷静だった。
きっと、私とは違う辛さを経験してきたのだろう。
そして私をお兄さんの海賊には連れて行けないため、医療が発達した島に連れて行くと話された。
共にいたいと思ったが、海賊は危険な存在。
戦えない、ましてや盲目で満足に移動もできない自分が一緒だと彼の足を引っ張ってしまう。それだけは嫌だ。
私は彼の提案に了承し、まずは目的の島に到着するまで休む事にした。