a fragrant olive【ONE PIECE】
第5章 Find the truth
彼女と他愛のない会話をした俺は別れの挨拶を告げて部屋を出た。
研究所の出口に向かっている最中にとある会話が聞こえた。
“この薬の効果はどうだ?”
“だめだ。副作用が強すぎる。この前も2週間寝込んだ”
なんの話だ?
俺は気になり、会話がする扉の前に立つ。
“あまり副作用が強いと失明の二の舞になる”
“どんどん虚弱体質にもなってきてるし…”
俺の胸がドクンと脈打つ。
“失明”
“虚弱体質”
嫌な予感しかしない。
あの被験体:001の文字が脳裏に浮かぶ。
頼む、俺の憶測が当たらないでくれ。
“どうなろうと構わない。リオは我ら海軍のモルモットのようなものだ。今更副作用があっても原因不明といえばそれ以上は何も聞かない”
あぁ。そういう事か。
なぜ彼女は失明したのか。
なぜ彼女は体が弱いのか。
なぜ彼女が研究所にいるのか。
すべてがつながった。
俺がそう思った瞬間、誰かがそばに立っている気配を感じる。
その方向を見ると…
「あんたは…」
先生が立っていた。まずい、今の会話を立ち聞きしているところを…
「中佐、こちらに来てください」
先生は小声でそう言うと踵を返して歩いていく。
俺は最悪の状況も想定しつつ、先生の後へついていった。