a fragrant olive【ONE PIECE】
第5章 Find the truth
「研究所にいる女の子だと?」
俺は上司であり、恩人であるセンゴクさんのとこに行き、彼女の事を聞いてみた。
金木犀の木の下で出会った盲目の少女。
研究所で生活している病弱な子。
書類にあった新薬の実験状況と被験体の文字。
俺の中に浮かぶ憶測を払拭したかった。
「はい。盲目の少女で研究所の中で生活しているんですが…」
「ロシナンテ、すまないが私も詳しくは…せめて名前だけでもわからないか?」
「名前はリオ。栗色の髪に金色の瞳です」
俺が彼女の名前と身体的特徴を伝えるとセンゴクさんの目の色が僅かに変わった。
センゴクさんは数いる将校の中では表情が豊かな人だが、仕事と私情はわきまえている人だ。
「すまない。知らない子だ」
口ではそう言っているけど、これは何かを知っている。
やはり彼女には何かあるのだ。
だが、上司であるこの人が答えないとなると他の方法が探さないといけない。
「そうですか。わかりました」
俺はそう言うと部屋から立ち去った。