a fragrant olive【ONE PIECE】
第3章 来訪者
彼に会ってから1週間。
私は体調を崩し、外出できずにいた。
私はよく体調を崩している。
外出は出来なくても先生から窓を開けることを許可してもらっているので、天気が良い日はほとんど窓を開けている。
窓を開ければ金木犀の甘い匂いがするのであの日出会った彼の事を連想してしまう。
彼は元気なんだろうか。
「…先生、聞きたいことがあるんですが」
「外出許可はしばらくだめだよ」
さすがは私を知り尽くしている先生。
私が言うより先に言われてしまった。
というよりこの1週間、外出許可を懇願しているから自然と出てくるのだろう。
仕方ない。外出許可はあきらめよう。
「…海兵さんの中にドンキホーテ・ロシナンテさんっていますか?」
あの日彼から聞いた名前。
個人的には珍しい名前だから知っていると思いたい。
「ロシナンテ中佐の事かい?彼は確かにこの海軍本部の所属だよ」
海軍本部、中佐。
自分が想像しているよりも地位のある人だった。
でもそんなの気にならない感じの人だった。
あの低めで聞き心地の良い声の人。
「ロシナンテ中佐がどうしたんだい?」
「先週の外出中に会ったんです。海兵さんという事とお名前しか聞いてなかったので」
「なるほどね。中佐に会いたくて外出の事を聞いていたのかい?」
「や、そういうわけじゃ…!」
な、なにを言うんだ先生…!!
そう否定しようとした瞬間、胸に痛みが走り呼吸がしづらくなった。
「ひゅ…はっ…」
「大丈夫かい?とにかく今は休みなさい」
苦しい。痛い。また、だ。
最近、頻度が増えた気がする。
先生は苦しむ私の処置をし、安静をするよう何度も言ってから部屋を出て行った。
先生は心配性だ。
でもそうさせているのは私の身体の弱さと無茶をしやすいから。
私の事を考えての事なので私も強く言えない。
(無茶するときはするけど)
先ほどの苦しさも先生のおかげで楽になった。
楽になったと同時に眠気が襲ってきたのでそのまま眠ることにした。