第17章 【伊達政宗】無自覚な心②【R18】
軍議を終えて、政宗が桜姫の部屋に戻るとすっかり目を覚ました彼女が出迎えてくれる。
「おかえりなさい、どこ行ってたの?」
「軍議だ。お前は寝ていたからな」
政宗に言われ、桜姫が顔を赤くした。
政宗の馬に乗って眠ってしまうという事が実証されてしまったのだ。
「よく眠れたか?」
「……うん」
政宗は桜姫の隣に座ると彼女の肩を抱き、ニコリとほほ笑む。
そのまま桜姫の頬に手を滑らせて、顎に手を添えると、親指を唇に当てた。
「俺の馬は乗り心地いいのか?」
乗り心地?
桜姫は馬に乗った時の事を思い返して考える。馬に乗る時はいつも緊張しているので、心地が良いと感じた記憶はない気がするが、眠ってしまうという事は乗り心地は悪くないともいえるかもしれない。
眉間にしわを寄せていると、政宗が唐突に唇を塞いできた。
「……んっ」
突然の事に驚いて、思わず彼の胸を叩く。
唇を離した政宗は笑って桜姫を抱きかかえた。彼の胡坐の上に座らされた桜姫は、頬を膨らませて政宗を見上げる。
「俺は、そんなに緊張しているようには感じないけどな」
「えっ?そうなの」
政宗は桜姫の顔や耳に、口づけを落としながら髪を指に絡ませたり頬を撫でたりし、一緒に馬に乗っている時の話をした。
確かに、まったく緊張していないとは言えないが、馬が扱いにくくなるほどではないし、馬を降りてきた時の様子も他の武将たちに乗せられている時とは違うと、自信満々に言う。
そして、それが嬉しいと言った政宗は、そのまま桜姫の唇を奪った。
「そんなお前が、かわいいと思ってな」
政宗の口説き文句に顔を赤くし、軽く開いた唇から侵入してくる彼の舌を受け入れる桜姫。甘い口付けに身体が蕩けていく。