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人生は常に事件に満ちている【コナン】

第3章 バスジャック事件 【安室】


「みんなに顔を見せたって事は、みんな殺されちゃうってことでしょ?なんとかしないとほんとに殺されちゃうよ…この爆弾で!」
コナンと、通路向かいに座っていた老人が持ち上げたのは通路に置かれていた爆弾。そこには先程には無かった、文字の様なものが書かれていた。
(Q…?じゃない、P…OT……STOP!)
これは運転手に向けたメッセージだ。バックミラーを通してみると反転して見える。運転手はその文字を見て咄嗟に急ブレーキをかけた。バスが大きく揺れ、立っていた強盗犯達がバランスを失い地に伏せる。今がチャンスと彼女らが踏み出したが、体を起こして銃撃しようとした男を再び地に伏せさせたのは、どちらでも無かった。コナンが出て来て何かを向けた直後、ふ、と糸が切れたように倒れ込んだ男。様子を伺えば、静かに寝息を立てていた。
(麻酔針…?あの時計から?この子、一体…)
だが考えている暇は無かった。新出が女を羽交い絞めにし、ジョディがもう一人の男を潰した所まではよかった。しかし今の衝撃で爆弾の起爆スイッチが入ってしまったらしい。あと30秒足らずで、爆発する。
「っ!みんな急いで外へ!」
わっと乗客がバスの外へと逃げ出す。バスの中に人がいなくなったことを確認し、眠らされた犯人を引きずって外へ出た。警察へその身柄を渡した直後、銃声が響いて振り返る。撃たれたのはバスの窓で、撃ったのは、コナンだった。
「またあの子…?」
コナンは中へと突っ込んで行くと、少女を一人抱えて飛び出した。同時にタイムオーバーになった爆弾の爆発。間一髪、少女を救い出す事ができたというわけだ。
「……」
「…目的を忘れるなよ…」
「えぇ…わかってるわ」
コナンの事は気になるが、今回の本来の目的は、全く別の所にある。もっともそれも、不測の事態でこれ以上は遂行不可能となってしまったが。
「2月23日、不測の事態により続行不能…。標的(ターゲット)は現れず…。後日改めて調査を再開する…以上…」
ピ、と男が通信を切る。携帯電話を持っていないと言ったのは嘘で、二人とのしっかりと隠し持っていた。
「報告は終わった?警察が事情聴取するって」
「わかった」
「それじゃ、行きましょ、秀一」
佐藤刑事によって乗客が次々にパトカーへ乗せられ、警察署へと連れて行かれた。







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