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人生は常に事件に満ちている【コナン】

第3章 バスジャック事件 【安室】


前の座席にいる少年―コナンが手元で何かごそごそとしていたら、強盗犯が寄って来て、その手にあった小さな機械を奪って行った。前にいた男が、こんな小さな子どもの手元なんて見えるはずがない。おそらくもう一人の仲間が乗客に扮していて、怪しい動きをした者を知らせてる事になっているのだろう。二度目の電話で、仲間が釈放されることが知らされた。すると男達は、持っていた大きな荷物をバスの通路に並べて置いた。
(まさか、爆弾?)
先程の少年がバッグに触ろうとして、また目を付けられる。銃を向けられたコナンを庇ったのは、新出という医師だった。男は標的を新出に変えようとしたが、もう一人の男に「アレに当たったら」と言われて止めた。アレはやはり爆弾かと確信する。
(さて…あとはヤツらの出方次第かしらね…)
彼女はサングラスの奥で目を細めた。先程から何かをやろうとしているコナンに、少しの興味を向けながら。








またしばらくすると、今度は強盗犯の携帯に電話が掛かって来た。相手は釈放された仲間だった。すると男達は運転手にルート変更を言い渡し、次に客席の方に向いた。
「おい!そこの青二才と奥のカゼを引いた男、それからその隣のグラサンの女!前へ来い!」
呼ばれた三人は大人しく前へ出た。トンネルに入り、新出とマスクの男は強盗犯達が着ていたスキーウェア一式を着せられる。その後乗客からもう一人選出され、強盗犯らの人質とされた。
「私は?」
「お前はこいつらの人質だ」
「ふぅん…」
なんと無意味な。そして同時に、なるほどと思う。自分を人質として呼んだのに、わざわざ別のところからも人質を選ぶ。ということはその人質、ガムを噛んでいた女が、もう一人の仲間ということだろう。自分達がバスを降りた後に爆弾を爆発させ、乗客の口を塞ぐ算段だ。そうなる前に何とか止めなければ。ちらと〝彼〟の方に顔を向ければ、わずかに頷かれた。行動するのはトンネルを出てやつらに動きがあった時。もうすぐトンネルを抜ける。ここでバスはスピードを上げて警察の車を引き離すよう指示されていた。バスがスピードを上げ始めると、行動したのは男達ではなく、コナン達であった。
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