ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】
第19章 ・・・そして
定位置になっているソファで編み物をしながら
「そろそろ夕食の時間かな」と手を止めた時
「ただいま」とエルヴィンが帰ってきた。
彼は真っ直ぐソファに座る私の所までやってきて、
腰に抱きついてきた。
「ただいま。体調は大丈夫だったか?」
「おかえりなさい。えぇ、今日は体調が良いわ。
それに皆さんが色々良くして下さっているの。
今日なんてリヴァイさんが部下の皆さんと一緒に来て
掃除と夕食の準備までしてくれたのよ」
「そうか・・・あとで礼を言っておくよ」
そう言うとエルヴィンさんは目を閉じ、
暫くそのまま動かなくなった。
私のお腹がボコンと動く。
「男の子かな?女の子かな?」
「さぁ?産まれてからのお楽しみね」
「・・・部下を死地に送り出すような俺が親に
なれるだろうか?」
「『なる』のよ。産んだからってすぐ親になれる
訳じゃないわ。育てながら一緒に親になるものだから
エルヴィンも大丈夫よ」
「・・・そうか」