ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】
第17章 覗き見
・・・え?
優しいよね?
違うの?
チラリとエルヴィンさんの顔を盗み見ると、
凄絶な笑顔を兵長さん達に向け「おまえたちは
私の結婚を祝福しに来たのか、潰しに来たのか
どちらだ?」と黙らせてしまった。
何となくこのままでは皆さんにエルヴィンさんが
『色々酷い事をした腹黒人間』と認識されてしまいそう
だったので、誤解を解くべく何があったのかを
少し説明する事にした。
エルヴィンさんは調査兵団団長なのだ。
部下が誤解したままだと士気などに影響して
しまうかもしれないので、それは避けなければならない。
取り敢えずざっくりな説明だが『調査兵だった
昔の恋人の遺品を届けてくれた事』
『自分は実家から酷い扱いを受けていて、
逃げ出すのにエルヴィンさんが協力してくれた事』
『屋台にはエルヴィンさんとの楽しい思い出が
あったので敢えてこの場所を選んだ事』
などを告げると「成程」と納得してもらえたようで
安心した。
私の説明が終わるのを見計らってか、
エルヴィンさんが咳払いをし
「おまえ達の好奇心は満たされて貰えただろうか?
そろそろ彼女と二人で話し合いたい事があるのだが?」
と威圧感溢れる笑顔で告げると、
彼らは焦りながら膨れっ面をしているハンジさんを
引き摺って去っていった。
・・・何というか嵐のような方々だったなぁと思う。