ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】
第16章 後押し
「この先にシーナで君と食事をした場所と似た屋台が
沢山あるスペースがある。そこに行かないか?
・・・そして、そこでプロポーズをしても良いだろうか?」
予想外の提案に私は考える。
エルヴィンさんがそうしたいと思った理由があるはずだ。
「何故その提案になったかを教えて頂ければ・・・」
私がそう返すと、エルヴィンさんは赤面しながら
その理由を教えてくれた。
「君とのランチはとても楽しかった。そしてその席で
俺は君に恋をした。またあの楽しい日々が戻ってくる
という実感が欲しいのかもしれない。
・・・・本当は高級レストランにでも行こうかと
思ったのだが、君ならこの提案を受けてくれるのでは
ないかと思って・・・・」
嬉しかった。
本当に自分達は変わり者だと思う。
普通の人なら絶対屋台なんかより高級レストランを
選ぶだろう。
だけど、私は屋台を選ぶ。
こんな可愛らしいエルヴィンさんの気持ちを知ったら、
絶対屋台に決まっているじゃないか。
プロポーズの場所にしては場違いだったかもしれないが、
私の心はとても温かくなった。
「喜んで!さぁ、屋台広場に行きましょう!」
繋がったままの手を引っ張ると、エルヴィンさんは
また嬉しそうに微笑った。