ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】
第16章 後押し
私はエルヴィンさんからすり抜け、
皆さんに深々頭を下げた。
「皆さん、お気遣いありがとうございました。
もう二人で大丈夫です。お時間を取らせ
申し訳ありませんでした」
私を追いかけて合流した女性陣と男性陣は
「お幸せに~」という言葉を残して帰って行った。
とても良い人達だと思う。
調査兵の皆さんを見送っていると、
エルヴィンさんが咳払いをしたので振り向く。
すると持っていた花束を私に差し出して
「その・・・まずは再会の記念にこの花束を受け取って
ほしい」と言ってきた。
「ありがとうございます」
勿論有り難くその綺麗な花束を受け取り、匂いを嗅ぐ。
白と青を基調にした花束は品が良かったが、
このまま持ち歩くとすぐ枯れてしまうかもしれない。
それは勿体無いなと考えていると、エルヴィンさんから
「お店に花瓶とかは無いだろうか?買ってから気づいたが、
花束を持ち歩きながらというのは不便ではないかと思って」
という提案をしてくれて助かった。
「ありがとうございます!今、持ち歩いていたら
すぐ枯れてしまうのではないかと思っていたんです。
すぐにお花を活けてきますので少々お待ちください」
お店の入り口を解錠し店内にあった花瓶にそれらを
活けると、背後から「良かった」という声が聞こえてきた。