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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第4章 原作編《体育祭》


紫沫SIDE


臨時休校が明け、体調も万全。
今日から改めて頑張っていこうと教室の扉を開けた瞬間、クラス全員の視線がこちらに向いたことで私の足はその場でピタリと止まった。

「あ…おはよ?」
「紫沫ちゃん!無事で良かったわ!」

真っ先に声をかけてくれたのは梅雨ちゃん。
それからはクラスの皆が代わる代わるに私の元へとやってきて。

「心配かけてごめんね?もう全然平気だよ!」
「とても心配しましたのよ。けれど、無事で何よりです」
「本当にごめん…皆が敵と戦ってる中1人だけ全然関係ない事で倒れて迷惑だけかけちゃって…」
「いやいや、紫沫ちゃんもむっちゃ頑張ってたやん!それにむっちゃ綺麗やった!」
「私もそれ思った!なんかキラキラしててめちゃくちゃキレーだったよー!」
「俺らが着いた時にはもう倒れてたからなあ。雪水の"個性"見れなかったのは残念だったぜ!」
「雪水今度お茶行かね?」

最後のはよくわからないけど。
心配かけた事は申し訳ないと思いつつ、クラスの皆が気にかけてくれていた事を少し嬉しく思った。
いつまでも扉の前にいては邪魔かと教室の中へと足を踏み入れたその時。

「気になってたのだけれど、紫沫ちゃんと轟ちゃんはお友達なの?」
「え?」

唐突にされた質問とその内容に、驚いて動揺しそうになるも表に出さない様にして。

「どうして…?」
「轟くん、紫沫ちゃんのこと見てすぐに処置してたんよ。なんか、知ってるみたいやったよ?」
「えっと…」

救けてくれたのは知っていたけど…本来ならつい最近同じクラスになったばかりのいきなり倒れた相手がどんな状態かなんてわからない。
でも、なんて答えるべきかわからなくてどうしたものかと思っていると。

「お!噂をすれば!王子サマの登場だぜ!」
「王子サマ!?」
「…」

その言葉に反応してすぐには気づかなかったけど、轟君が教室に入ってきて私の横を通り過ぎようとしていた。

「そうそう!轟くんがお姫様抱っこしてるん、むっちゃサマになっとった!」
「え?あ、あの…」
「なあ、轟は雪水のこと知ってたのか?」

なかなか答えない私を見兼ねたのか、切島君が質問相手を変えていて。

「中学が一緒だから知ってた。それだけだ」

さらりと答えると轟君はすぐに席の方へと去っていった。

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