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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第13章 原作編《新学期》


紫沫SIDE


仮免試験からの喧嘩騒ぎ目撃に加えてオールマイトの秘密まで知った怒涛の夏休み最終日から一夜明け、いよいよ新学期が始まる。
爆豪君のよく分からない発言をベッドに潜り暫く頭を捻らせたものの、やっぱりわからなくて、目覚めた時にはすっかり忘れてしまっていた。
気持ちを新たに始業式に参加する為の制服…ではなく、昨夜の規則違反に寄って下された寮内謹慎2日間と清掃の為にジャージに袖を通し一階の食堂スペースへと向かった。
朝食の時にはジャージ姿でも特に違和感を持たれることはなかったけど。
登校時間間際になっても制服に着替えないばかりか掃除を始める私達3人に対して、案の定クラスの皆からどうしたのかと声をかけられ昨夜に起きた事の顛末を簡単に説明する事となった。

「ケンカして」
「それを陰から見てて」
「謹慎~~~!?」
「馬鹿じゃん!!」
「ナンセンス!」
「馬鹿かよ」
「骨頂ーー」
「ぐぬぬ…」

ここまで散々言われて口を噤む爆豪君と言うのは非常に貴重で珍しい。
昨夜から爆豪君のイメージが自分の中で大きな変化を見せ、少しだけ親近感が生まれた様な気がする。
何となく視線を送っていると爆豪君に話しかける焦凍君の姿があった。

「爆豪、仮免の補習どうすんだ」
「うるせぇ…てめーには関係ねぇだろ」

一緒に補講を受けるからには関係なくはないと思うし、焦凍君は心配して言ってくれてるんだろうけど。
どうなるかは同じ謹慎者の私もわからない。

「紫沫も、大丈夫なのか?」
「ど、どうかな?それについては何も言われてないから…」
「そうか。学校があるから今は無理だが、帰ったらまた話そう」
「うん…」

少し俯き気味だったからか、軽く頭を撫でられて視線だけでも上を見ると「行ってくる」と言われたので当たり前のように「行ってらっしゃい」と返した。
同じ学校に通う立場で一緒に登校することはあっても、見送ると言うことはあまりなくて何だか不思議な感じがする。
あるとすれば神野事件直後に過ごした数日の中で実家へ帰るのを見送った程度。
2人きりで過ごすという非日常的な時間の中での見送りは新鮮で待つのも苦ではなかった。
それが今は何故か無性に寂しさを覚えて、それを小さく笑みを浮かべる事で誤魔化した。


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