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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第8章 原作編《林間合宿》


紫沫SIDE


「うめぇ」
「良かった。って、レシピ通りに作っただけなんだけどね」
「紫沫が作った事に変わりはねぇだろ」
「そうだけど…」
「それに、誕生日の時のも美味かった」
「覚えて、たんだ」
「おお」

そんな前の事を覚えていてくれたのが嬉しくて、周りが見えていなかった。

「あの2人周りに気付いてっかな…?」
「バスでの一件もあるしなァ…」
「えっ、何々!?」
「轟が途中で席移動しただろ?そん時にさ、見ちゃったんだよ…雪水とキスしてんの!」
「マジかー!!」
「上鳴あんまそういうのは言わない方がいいンじゃねえか?」
「あっ、ワリィ」
「それにしても、あの感じ。まるで新婚夫婦みたいだね」
「クッソォォオオ!リア充め!!!爆発しろ!!!」

クラスの一部の生徒に一連の流れを見られていたとは。
完成した肉じゃがを持ってテーブルに着いた時に周りの視線が気になりつつ、空かせたお腹を満たす事が最優先だったので、その日の夕食も美味しく完食したのだった。

「腹もふくれた。皿も洗った!お次は…」
「肝を試す時間だー!!」

お昼に話していたアメの時間がやってきた。
寝不足も吹き飛んでテンションの上がる補習組に対して、青天の霹靂とも言える一言が相澤先生の口から告げられる。

「その前に大変心苦しいが、補修連中は…これから俺と補習授業だ」
「ウソだろ」
「すまんな。日中の訓練が思ったより疎かになってたのでこっちを削る」
「うわああ。堪忍してくれえ。試させてくれえ!!」

相澤先生の捕縛布に捕まり、抵抗も虚しく引き摺られながら補習部屋へと連行される。
勿論私もその1人なんだけど、怖いのが苦手なので寧ろ有り難い。

「あぅぅ…私たちも肝試ししたかったあ…」
「アメとムチっつったじゃん。アメは!?」
「サルミアッキでもいい…アメを下さい、先生…」
「サルミアッキ旨いだろ。今回の補習では非常時の立ち回り方を叩き込む。周りから遅れをとったっつう自覚を持たねえと、どんどん差ァ開いてくぞ。広義の意味じゃこれもアメだ。ハッカ味の」
「ハッカは旨いですよ…」
「あはは…」

意気消沈した皆の姿に苦笑を漏らしつつ、補習部屋へと足を踏み入れた。

















「さァ始まりだ。地に堕とせ、敵連合"開闢行動隊"」

すぐそこに脅威が迫ってるとも知らずに。


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