• テキストサイズ

【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第6章 原作編《期末試験》


紫沫SIDE


その日の放課後、お昼に聞いた内容を芦戸さんと上鳴君に話すと、テンションが上がっていた。

「んだよロボならラクチンだぜ!!」
「おまえら対人だと"個性"の調整大変そうだからな…」
「ああ!ロボならぷっぱで楽勝だ!!」
「あとは勉強教えてもらって」
「これで林間合宿バッチリだ!!」
「人でもロボでもぶっとばすのは同じだろ。何がラクチンだ。アホが」

そんな二人の雰囲気をぶち壊したのは、体育祭の時に見た優しさは幻だったのかと思う程荒れてる様に見える爆豪君だった。

「アホとは何だ。アホとは!!」
「うるせえな。調整なんか勝手に出来るもんだろ。アホだろ!なあ!?デク!」
「!」
「"個性"の使い方…ちょっとわかってきたか知らねえけどよ、てめェはつくづく俺の神経逆なでするな」
「あれか…!前のデクくん、爆豪くんみたいな動きになってた」
「あー確かに…!」
「体育祭みてえなハンパな結果はいらねえ…!次の期末なら個人成績で否が応にも優劣つく…!完膚なきまでに差ァつけて、てめェぶち殺してやる!轟ィ…!!てめェもなァ!!」

そう言い捨てて教室から出て行ってしまった。
私は関係ないのだけれど、どうしてもさっきの言葉が胸に突き刺さってしまう。

(調整なんか勝手に出来るもんだろ。か…前までは出来てたのに、どうして出来ないんだろう…)

少しぼーっとしていたのか、轟君に声を掛けられた。

「紫沫、どうした?これから相澤先生のとこだろ」
「あ、うん!遅れるといけないから行くね!」

弱音ばかり吐いた所で何が変わる訳でもないから、考えを悟られない様にそそくさと教室を出て、練習場へと向かった。
それに、以前言われた様に回数の減ってしまった貴重な練習時間に遅れるわけにはいかない。
到着すると既に相澤先生が来ていたので、早速始めようとした時、

「今日が最後の練習だ」
「え?それってどういう」
「期末まで俺も何かと忙しくなるからな。後は自分でなんとかしろ」
「…はい」

そう言われると素直に頷くしかなくて。
ここまで進歩のない生徒に付き合ってくれているだけでも有難いのだから、これ以上迷惑をかけられない。
それならば今日こそはと意気込んで練習を始めるも、この日もまた結果はいつもと変わらなかった。


.
/ 456ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp