第5章 原作編《ヒーロー情報学〜ヒーロー基礎学》
紫沫SIDE
翌日の休みは前日に出来なかった家事をする事に費やした。
睡さんはお仕事で居なかったし、一人だと余計な事を考えてしまいそうだったから。
そのお陰かとても捗り、睡さんが帰ってくるととても褒められたので結果オーライだ。
そして、一夜明け、今日からまたいつも通りの学校が始まる。
生憎の雨だったけど、教室に着くと何やらとても盛り上がっていた。
「超声かけられたよ、来る途中!!」
「私もジロジロ見られて何か恥ずかしかった!」
「俺も!」
「俺なんか小学生にいきなりドンマイコールされたぜ」
「ドンマイ」
「たった一日で一気に注目の的になっちまったよ」
「やっぱ雄英すげぇな…」
「おはよ!」
「あら、紫沫ちゃん、おはよう」
「おはよー!」
話題に入ろうかと声をかけようとしたら、
「おはよう」
相澤先生の登場により、それは叶わないものとなった。
皆びっくりする位の速さで席に着いたので、私もすぐに自分の席に向かう。
その途中、席に座っていた轟君と目が合って、少し緊張しながらも挨拶をしてみた。
「轟君、おはよう」
「ああ、おはよ」
挨拶を返してくれただけなのに、凄く嬉しくて思わず笑みを浮かべてしまう。
しかしのんびりしてたら相澤先生のお叱りを受けるので、そこはすぐさま席に着いた。
「相澤先生、包帯取れたのね。良かったわ」
「婆さんの処置が大ゲサなんだよ。んなもんより、今日の"ヒーロー情報学"ちょっと特別だぞ。「コードネーム」ヒーロー名の考案だ」
「「「胸ふくらむヤツきたああああ!!」」」
最早これはこのクラスの集団芸だと思う。
相澤先生の"個性"発動でクラスは一気に静かになった。
「というのも、先日話した「プロからのドラフト指名」に関係してくる。指名が本格化するのは経験を積み、即戦力として判断される2、3年から…つまり今回来た"指名"は将来性に対する"興味"に近い。卒業までにその興味が削がれたら、一方的にキャンセルなんてことはよくある」
「大人は勝手だ!」
「頂いた指名がそんまま自身へのハードルになるんですね!」
「そ。で、その指名の集計結果がこうだ。例年はもっとバラけるんだが、二人に注目が偏った」
黒板に表示された結果に驚く。
轟君が4.123、爆豪君が3.556。
そこからは360、301と雲泥の差だった。
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