第1章 幸せを掴むとき
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「レン…ゴメンな…辛い思いさせとるやろなぁ…」
あの時の夢を見た…
《ギン…あたしね。この子と…ギンと戸魂界で幸せに暮らしたいの…》
季南がそう言うて哀しそうな目ぇで…
自分のお腹を撫でながら言ったんや…
ボクは迷ってたんや。
藍染さんには借りがある。
裏切る事なんて出来へん。
せやけど…季南とお腹の中の子と幸せに暮らしたいのもある…
そんな事を思うとるうちに…
レンが産まれた。
レンが産まれて三年後…
季南は虚に殺された。
藍染さんが作った試作段階の虚に…
《これで…迷う必要は無くなっただろう?娘と一緒に私の元に帰っておいで?ギン…》
季南を失い絶望しているボクに藍染さんはこう言い放ったんや。
逆らう事なんて…出来へんかったんや…
《逆らったら…殺す》
そんな目をしとったから…
あの時…逆らっとったら…
ボクもレンも此所には居らんかった筈や…
その頃からや。
レンは冷たい笑いしかしなくなったんは…
レンの父親なのに…何にもしてやれへんなんて…最悪やな…
「はぁ…(着替えてはよ行かなあかんな。)」
ギンは寝間着から黒い着流しに着替えて部屋を出た。
『やっと起きて来たんやね。』
「今日…非番やし…寝かせてくれてもええやないの~。」
『うるさい。とっとと朝ご飯食べてくれへん?あたしは明日から休みやないんやから…ちゃんと仕事行くんやで?』
ギンは座布団に座るとテーブルに置いてあった朝ご飯を食べ始めた。
「相変わらず…厳しいなぁ…。もう少し父親に優しくしようとか思わんの?」
『全然。』
「即答かい!!」
『そら…そうやろ。仕事を真面目にせぇへん父親のどこを尊敬しろっちゅうねん!!優しくして欲しいんやったら…真面目に仕事したらどうですか?市丸副隊長?あっ…時間や。ほな…行ってくるわ。』
レンはそう言うと家を出た。